明るく安心した暮らし作りの法務アドバイザー
![]()
所在地:岩手県奥州市水沢区字南大鐘105番地2
電 話:0197-24-3946
E-mail:shosi_shige@hotmail.co.jp
わが国では、平成12年より介護保険の改正と共に、旧制度である禁治産者制度から発展させる形で「成年後見制度」という制度が制定され、施行されています。
背景としましては、
1.家庭環境や社会環境の変化
まず1つ目の背景としては、現在の日本において少子高齢化、核家族化が進行するとともに、一人暮らしの老人が増
え、同時に認知症又は寝たりきりの高齢者が増加しています。
また、ストレスなどに起因する精神的障害を持つ方が増えています。
このような状況下で高齢者、精神的・知的障害者に対する財産侵害や消費者被害、高齢・障害を理由とする差別等の権
利侵害の事例が多く見受けられるようになりました。
岩手県においても、先般発生いたしました盛岡で発生しましたホームヘルパーによる横領事件も記憶に新しいところで
すし、訪問販売などによる悪徳商法被害が年々増加しているという現状であります。
2.介護保険制度の改正
2つ目の背景としては、介護保険制度がこの平成12年に改正されたことによって、従来老人ホーム等の施設入所や
介護サービスの提供は行政からの紹介又は斡旋だったものが、個々人の意思に基づき、契約によって利用するように
変わりました。
この介護保険制度の改正によって、介護サービスを選択する自由を得ることができたのですが、反対に自己の選択す
るための自分の判断に責任を持つことが要求されるようになりました。
3.旧制度である禁治産者・準禁治産者制度の限界
3つ目の背景としては、旧制度である禁治産者・準禁治産者制度が、人権的な配慮に欠ける(名称自体差別;的言い回
しであったり、利用していることを利用者の戸籍に記載される等)ものであり、利用する際の保護者の選任が非常に限定
である又は、利用後の保護者の監督機能などもなかったため悪用される等の問題点がありました。
このような背景から、判断能力が無い又は不十分な高齢者や精神的又は知的障害者の財産及び身体を本人のために守り、本人のためにいつまでも自分らしく明るく安心した生活が送ることができるように必要な援助が受けられる様にした制度を成年後見制度といいます。
この制度の基本理念は、自己意思決定の尊重・ノーマライゼーション・残存能力の活用です。
目的は、判断能力が無くなったり、不十分になってしまった高齢者や知的・精神的障害者の財産管理や身上監護をすることによって、高齢者や知的・精神的障害者本人の思いを尊重し、安心した生活できるようにするための制度です。
・憲法に規定されている幸福追求権(第13条)や生存権(第25条第1項)等を根拠に、高齢者や知的・精神的障害者の希望する意思を最大限に尊重し、その意思に副うようにする事です。
・尚、民法及び任意後見契約に関する法律において、本人の意思の尊重及び身上配慮義務は明文で規定されています。
幸福追求権
すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求権に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
生存権
すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
・障害がある人も家庭や地域で通常の生活をすることが出来る様な社会を作ることを理念としている考え;方をさします。
・ノーマライゼーションの考え方が普及する以前は、高齢者や障害者を施設に入所させることにより普通の生活から隔離さ
れるような状況が多くありましたが、ノーマライゼーションでは、高齢者や障害者も地域社会に溶け込んだ普通の生活を営むべきだという考え方であります。
・類似する言葉で、「バリアフリー」という言葉がありますが、こちらは差別的な考え方や障害の撤廃という差別に対する行
動を表しておりますので、理念と行動という違いがあります。
・高齢者や知的・精神的障害者は、寝たきりなったり、引きこもりになってしまうというのが現状です。
・その様な方々に対して、リハビリや能力開発を通して身体的・精神的能力の維持・推進をすることによって、できる限り普通の生活が送ることが出来るように働きかけることです。
・成年後見制度上の財産管理は、不動産、有価証券(保険・株券等)、収入・支出等お金に関する動きを管理することのみならず、相続の代理や物件の賃借契約又は債権債務の代理対応等の法律行為の代理行為も管理業務に含まれます。
・後見開始の際には、財産を確定させるために、本人の財産をすべて確認した上で、財産目録を作成します。
・財産管理における注意点は、あくまで目的は「管理」であり、投資信託等への後見制度適用後の投機のような「運用」をすることは出来ません。
・いくら儲かることが前提でも、あくまでそれは成年後見人の思い込みと扱われ、資産運用等は越権行為と家庭裁判所に判断される場合があります。
・法律家を後見人にすることにより、単純な財産管理のみならず、親族や第三者からの財産侵害や悪徳商法被害の防止
等の財産保護機能を持たせることが出来ます。
・後見制度上の身上監護は、高齢者や知的・精神的障害者の身体に関する契約のサポートを行います。
・例として、施設に入所する場合には、その際の施設入所契約に関する代理や契約後にその施設におけるサービス内容を確認して、より本人が生活しやすいように改善させることも業務の1つです。
・入院先の医師等から医療行為に対する同意を求められることがありますが、これに同意をすると家庭裁判所に越権行為
と 判断されることもありますので、親族の後見人であっても本人の同意なしに医療行為の同意は出来ません。